オフショア開発で5年、これまで様々なお客様の開発案件に携わってきました。その中でよく話題にあがるのが、ベトナム人エンジニアのスキルについて。お客様からも必ずといっていいほど、ベトナム人のパフォーマンスとスキルレベルに関する質問をいただきます。今回はその中でもよく質問にあがるものを抜粋し、2017年度版・ベトナム人エンジニアの特徴と併せてご紹介したいと思います。
Q. ベトナム人エンジニアスキルはどれくらいですか?
実装に関しては、Web/モバイルどちらも問題なく開発ができます。詳細な仕様書が無くてもある程度行間を読み取って、実装してくれます。一方、ベトナムのシステム開発は受託開発の歴史が長く、納品後のシステムに触れる機会が比較的少ない為、運用観点での設計/実装に対して経験が浅い場合もあります。
詳細な仕様書を書くよりも、どんな運用を想定しているかやこのシステムがどのように使われているかをお伝え頂けるとより効果的です。
Q. ベトナム人エンジニアには何をどれくらい伝えるべきでしょうか?
少なくとも、画面遷移図、画面設計書、DFD※1 が必要かと思います。画面遷移図では、どのような画面が有り、どのように各画面がつながっているのか。画面設計書では、その画面がどんなレイアウトになっており、どのような要素があるのか。DFDでは、どのようなインプットデータを元にどんなロジックがあり、アウトプットになるのか。これらを押さえておくことが重要です。
Q. ベトナム人エンジニアはプログラム言語毎に差がありますか?
各言語ごとで差が生まれる場合はありますが、ホーチミンやハノイのような大都市ではエンジニアのレベルは高いのでほとんどのプログラミング言語がカバーできます。またダナンはHTMLを中心とした優秀な人材が揃っています。
あくまで経験ベースですが、弊社本社のあるホーチミンにおける言語トレンドに関してはそれぞれの年代で以下のような特色がある印象を受けます
2013〜14年 | エンジニアも求人もJavaが多くを占めていました。PHP求人を出してみても、未経験または2〜3年と経験が浅い者が多くPHPは実際に経験したことがないけどチャレンジしたい、というエンジニアの方が多かったのを覚えています。
当時から優秀なエンジニアを採用出来ていましたが、日本側のマネジメントが一定必要でした。PHPエンジニアの人材(供給)のほうが求人(需要)よりも多かった為、求人を出せば多数の履歴書が届くという採用拡大の追い風の時期でした。 |
2015〜16年 | PHPエンジニアが急激に増加し、求人もJavaからPHPへと一気に変わりました。外資系企業のベトナム進出に伴う人材流動性の活発化などが相まって、エンジニアの採用が非常に難しくなり、各社採用戦略へより注力し始めた時期でもありました。 またこの頃よりiOS/Androidエンジニアの数が増え始め、人材のバラエティが広がりました。 |
2017〜現在 | PHPエンジニアの人材獲得競争は落ち着き、今ではRubyOnRailsやScala、iOS/Androidエンジニアの求人が増えてきております。最近は、プログラム言語というよりもブロックチェーンやディープラーニングなどのテクノロジーに関する案件に対応できる人材へのニーズが多いように感じます。 |
振り返ると、ベトナムで求められるニーズもプログラム言語での案件開発から高度な技術フレームワークをベースとする開発へと難易度が上がって来ていると感じます。
・実際にベトナム人エンジニアと話してみたい。
・視察に行ってみたい
・どんな案件に携わっているのか見てみたい
などなど具体的な疑問やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ!
※1 データフロー図、Data Flow Diagram