
ラボ型開発と現地法人は何が違うの?実際の1日の流れにどんな違いがあるのか?本日は、ベトナム現地法人のお仕事についてご紹介させて頂きます。(※下記は、日本の親会社100%出資でベトナム現地法人を設立した企業の駐在員の方をモデルにしております。)
07:30 出社
出社時には、バイク渋滞等が激しく交通機関の乱れが多い為早めに出社します。
08:00 朝礼
メンバーと朝礼を行います。
09:00 日本とのミーティング
日本側と案件の詳細についてミーティングを行います。ときにはベトナム人スタッフも一緒にミーティングに参加することもあります。
10:00 採用面接
採用面接が入ります。後述しますが、実は人数規模が小さいままだとラボ型よりもコスト高になってしまうことがあります。より積極的に採用を進めなければなりません。
11:00 自席で業務
午前中にミーティング類が片付いたら、自分の業務にとりかかります。
12:00 昼食
ラボメンバーとランチに行きます。オフィス街にはいくつか日系レストランもあるので、日本食が恋しいときは助かりますね。
13:00 会計資料のチェック
外資による現地法人設立の場合、3ヶ月に一度財務諸表の作成と提出が義務付けられております。
14:00 BSEとの仕様/進捗ミーティング
BSEと既存案件の進捗確認や午前中にやった仕様調整などの不明点がないかなどを話し合います。
15:00 自席で業務
自席に戻って業務をします。
17:00 終礼
メンバーと軽い終礼をします。
18:00 自席で業務
ミーティングや書類確認が多い日は残っている業務を片付けます。
19:00 退社
退社です。お疲れ様でした!
いかがでしたでしょうか?以前紹介した”開発ラボ駐在員の一日”の働き方と似ている、と思いませんでしたか?
現地法人を選ばれる主な理由に、①ラボ型開発よりも比較的コストが安い、②現地法人設立は自社としてもアピールしやすい、というものがよく挙げられます。ただ実際現地法人設立となると、管理業務に思った以上に工数を割かれることが多いようです。
「せっかく駐在員をベトナムに赴任させ、現場マネジメントをしてほしいのに人事管理に時間が取られ、現場に集中できなくなってしまった」ということにならないためにも、現地法人後の業務内容を経営陣/駐在員がそれぞれしっかり認識しておくことが必要となります。
以下では現地法人設立後に工数を割かれることが多い業務をまとめております。現地法人化する前には想定しずらいものもございますので、ぜひご参考にしてみてください。
(1)採用業務の増加
ラボ型ですと人材募集から履歴書の1次スクリーニング、面接設定までを弊社がサポートさせていただきますが、現地法人となると人材紹介会社との連絡や契約締結、求人票作成から求人出稿と多くのステップを踏まねばなりません。
さらに近年採用が難しくなっているので、複数の人材紹介会社と契約を結ぶ必要が出てきます。そのため採用に関する時間やコストが必然的に上がってしまいます。
そしてもちろん求人を出すたびに求人広告費もかかってきますので採用予算も見積もる必要があります。
募集に来る履歴書も全て自社内でスクリーニングする必要があるので、履歴書を確認し合否を判断するだけで、半日近くかけてしまう事も起こり得ます。
(2)販管費のコスト増加
現地法人設立後に一番の販管費を占めるのは、やはり人事労務系の人材です。会計や経理周りや人事は法律やお金が絡みますので、”日本語が出来て人事経理の業務知識がある人”にお願いしたいというニーズが非常に高まっております。
一方、日本語×人事×経理×労務という条件で人材を探すとなると採用がそもそも難しかったり、給与が高いケースが多いです。この場合、現地法人の人数規模が小さいままですと、販管費のコストが実はラボ型より高かったなんてことが起きてしまいます。
(3)法人の維持管理コストの増加
日本資本でベトナム現地法人を設立すると、3ヶ月に1度の財務諸表の提出が義務付けられます。
一般的には財務諸表の作成は会計会社に依頼することになります。他にも財務諸表の作成に当たっては現地法人代表者が大量の書類にサインをする必要が出てきたりとかなりの工数がかかってしまいます。
日本の資本で設立している関係上、本社の連結決算の対象になる可能性があります。そうすると、日本/ベトナムの会計基準を熟知している会社にお願いすることになるため、よりコストと時間がかかります。
(4)法律遵守コスト
急劇な経済成長を遂げているベトナムですが、その発展に沿うように法律もどんどんと変わっていきます。特に会社経営に関わる、法人税や従業員の社会保険料などは、ここ数年の間だけでも2〜3回にわたり改定や通達が起きています。これらを正しく把握し遵守していないと、会計監査などの際に指摘され追徴課税を受けるリスクが出てきます。
ベトナム労働局のサイトからの通知を毎日チェックするように人事担当者にお願いしたり、契約している会計会社からこまめに情報をもらい法令遵守を徹底すると良いかと思います。
上記で述べましたとおり、一見するとコスト圧縮に見える現地法人ですが事前の検討を十分にせず、いきなり運用に入ると会社維持に伴う管理工数が増えてしまい、「コストは減ったが成果がでなくなってしまう」といった悪循環に陥りがちです。
実際の現地法人設立は慎重に進めていったほうが成功し易いのではないかと思います。
・実際にラボ型から現地法人を設立した方とお話が聞きたい!
・現地法人を設立した後に、特にどの業務に気をつけたほうがいいのか知りたい!
・現地法人とラボ型開発、どちらが向いているか意見が聞きたい!
上記のような具体的なご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ!