会社名:株式会社LastRoots(http://www.lastroots.com)
事業部/役職:執行役員CTO, c0ban開発部 部長, 社長室 室長
お名前:四條 能伸様
・御社の事業内容を教えてください。
「c0ban(こばん)」という仮想通貨を開発し、それを活用した事業を展開しています。現在は、「仮想通貨c0banと広告を組み合わせた世界初の広告配信プラットフォーム」の開発・運営に力を注いでいます。一般的に広告というと、我々視聴者からすると邪魔なものであり、広告出稿主からすると効果が不鮮明、もしくは効果が無いものになっており、お互いにとって利点が少ないのが現状です。そこで、出稿主には「広告を見られた分だけ費用を支払う」、視聴者には「広告を見た分だけ稼げる」という仕組みを提供することで、出稿主・視聴者がWin-Winの関係になる広告サービスを展開しています。このサービスでは、決済手段として仮想通貨のc0banを使用することで、広告主が視聴者に直接対価を支払います。仮想通貨は「少額決済可能」な性質を有しているため、広告主から消費者に対して、視聴回数に応じた「数円単位での支払い」を可能にしています。
Webブラウザ版: http://c0banchan.tv/
Androidアプリ DL: https://play.google.com/store/apps/details?id=com.lastroots.c0ban
・エボラブルアジアではどんな業務を委託されていますか?
上で述べた広告配信プラットフォームでは、広告を配信するための広告配信・管理サーバと、広告を視聴するための専用のネイティブスマホアプリを開発しています。エボラブルアジア様には、その両方の開発業務を委託しています。(参考ビデオ: https://www.youtube.com/watch?v=y8BQYNd9HLk)
開発内容 | 「c0banアプリ」のサーバサイドAPIとiOS/Androidのネイティブアプリ開発 |
開発言語 | 【サーバサイド】 Python
【iOS】 Objective C, Swift3 【Android】 Java, Kotlin |
開発期間 | 2017年2月にアプリリリース以降、Server/iOS/Android全て、定期的にアップデート中 |
・エボラブルアジアのラボを活用した理由を教えてください。
エンジニアの数が圧倒的に不足していた開発初期段階の頃、開発パートナーの1人が、以前に御社のオフショア開発を利用したことがありまして、その方にご紹介頂いたのがきっかけです。決め手となったのは次の2点です。1つ目は、実際にベトナムを訪問して採用面接に立ち会わせてもらい、パフォーマンスが高いエンジニアに出会うことができたことです。優秀なエンジニアを即アサインしてもらえる環境は魅力的でした。 2つ目は、 ラボマネージャーによる現地サポートが充実していたことです。国外での開発ということでコミュニケーション面の不安を感じていましたが、それが払拭されました。
・現在の体制は?どのように業務をされていますでしょうか?
プロジェクトマネージャー | 1名(日本) |
プロジェクトマネージャー | 1名(ベトナム) |
サーバーエンジニア | 3名(日本) |
サーバーエンジニア | 3名(ベトナム) |
iOS/Androidエンジニア | 3名(日本) |
iOS/Androidエンジニア | 4名(ベトナム) |
(チケット管理やコミュニケーションツール等含めて)
iOS/AndriodエンジニアとはGithubのIssueを使い、serverエンジニアとはJiraのチケットを使って通常のタスク管理を行っています。
毎日・毎週・毎月の各頻度でミーティングを設け、それぞれ粒度の異なる進捗確認・共有を行っております。毎日のミーティングは朝実施し、「前日こなしたタスク」、「今日やるタスク」、「現状の課題」の報告はチャットベースで。週次のMTGでは口頭でタスクを確認し、月次のMTGでは数ヶ月単位の開発方針の共有をしています。
・チームビルディングをする上で気をつけているポイントはありますか?
情報の共有は徹底して行っています。プロジェクトの目的、何故その機能が必要なのか、なぜそのUIにしたかなど、認識を合わせることが非常に重要です。。当たり前ですが、日本人とベトナム人では生まれ育った環境が違うため、こちらの意図が予想以上に伝わらない、もしくは誤解釈される、ということが起きてしまい、その後のチーム運営やタスク管理に支障をきたすことがありました。それを避けるためにも、時間がかかっても議論をして、お互いが納得の行く落とし所を見つけるように心がけています。
また、メンバーとの信頼関係を構築することも非常に重要です。家族を大切にするベトナムの文化だからこそ、こちらもベトナムチームを家族のように接してあげることが大事です。そこで時折簡単なベトナム語を混ぜつつ積極的にメンバーとコミュニケーションを取ったり、ハノイに出張に行った際には必ず一緒に飲みに行ったりするなど、信頼の構築に時間と労力を割いています。開発を委託しているのではなく、一緒に開発しているという想いを持つことが重要だと考えています。
・実際に成果はあがりましたでしょうか。
徐々にあがりつつある、といったところです。開発の初期段階では意思の齟齬が多発し、決して順調な開発とは言えませんでした。しかし、1年経った今となっては、特にサーバサイドチームに関しては、主戦力として活躍してくれています。彼らなしではサーバチームは成立しないレベルです。一方、クライアントサイドに関しては、特にUI部分は未だに苦労をしています。相手が日本人であれば感覚的な指示でも伝わりますが、ベトナム人相手では伝わりません。この点はまだまだ改善していかなければと考えています。
・開発のクオリティはいかがでしたか?
仕様が明確な場合やバグ対応に関しては非常に品質高く対応をしてくれています。また、開発以外の面、例えばライブラリやツールの調査・選定等も積極的に行ってくれるのは大変ありがたいです。
一方、コードの質は改善が必要と考えています。ベトナムチーム内でのクロスレビューでお互いのコード品質を向上させることができるようなチーム体制づくりが大切であると実感しています。
・ベトナムオフショアを検討されている企業へアドバイスをお願い致します。
非常に優秀なエンジニアを素早く確保することができるため、スピードが要求される開発現場では、魅力的な選択肢だと思います。また、海外展開を視野に入れている場合は、日本人以外の視点や意見を取り入れることができる環境が整うため、そういった点でも有効であると考えます。日本語、もしくは日本人特有の考えが如何に多いのか、を実感します。
開発以外の面でいうと、対外的に「海外に開発拠点を持っている」と広報することができるため、会社のブランディングの向上に寄与すると思いますし、また、日本におけるエンジニアの採用においても、ベトナム人とチームを組んで開発することに強いモチベーションを感じるエンジニアが多いため、日本においても優秀なエンジニアを確保しやすくなるのではないかと思ってます。
一方、文化や言葉の違いに由来する様々な “ズレ(認識の齟齬)” に苦労することも多いのが正直なところです。。そのような状況下で、仲間として、同じことでも諦めずに伝え続ける根気強さは必要なのかとも思ってます。
以上、株式会社LastRoots 四條様からでした。
ご協力頂きましてありがとうございました。