BLOGブログ

クライアント事例
2018.05.09

「ベトナムオフショア開発で培ったリモート人材の管理手法が日本でも役に立っています。」-コガソフトウェア株式会社様

会社名:コガソフトウェア株式会社(https://www.kogasoftware.com/

事業部:ビジネス開発部

お名前:小川 尚志様(カバー写真、前列左から2人目)

 

1.オフショアを始めたきっかけを教えてください。

元々ベトナムの別の会社様と関係があり、取引こそありませんでしたが、ベトナムとの関係は昔からありました。

ベトナムでのオフショア開発を始めて経験したのは、2012年ですね。Evolable Asia様と、弊社が取引していた会社様の提携案件に携わったのが初めてで、その後元々関係のあった会社様で弊社自身もオフショア開発を開始しました。

しかし、より弊社のビジネスにもマッチするという事で、その会社様からEvolable Asiaを紹介されてラボ型でのオフショア開発をスタートさせました。

 

2.実際に開発を行って予想外によかった点、悪かった点は何ですか?

立ち上げ時のメンバーはホーチミン工科大出身者など学力とスキルの高いエンジニアを入れたのですが、仕事に対する前向きな姿勢に驚きました。

前の会社でテストの仕方からしっかり教育受けてきたメンバーたちだったので、品質面も想定より良かったです。あえて品質管理ができる人をとったわけではなく、たまたまそういったメンバーを採用できた。これが予想以上に良かった点ですね。

良くなかった点は、意外と受け身なことです。プロジェクト全体のことを考えて行動するというよりは与えられたタスクをしっかりこなすといった感じです。これは言い換えれば言われたことをきちんと達成できるいいところでもあるんですけどね。

 

3.どのようなチーム体制で開発されていますか?

受託開発チームで3名(BSE1名、SPG0名、PG2名)、自社開発チームで10名(TL1名、コミュニケータ1名、SPG2名、PG6名)です。

立ち上げ当初は受託開発チームのみでしたが元々幅広い案件でオフショアを活用したいと考えていたので半年後にもう1チームを立ち上げました。

 

4.受託開発では業務の山谷があると思うのですが、ラボの人数はどちらに合わせられていますか?

弊社の場合は、谷+αです。人材の流動性も日本と比べれば高いため、不測の事態に備えるために若干多めにしています。ですので、業務量が多くなった際には日本側の体制と合わせて調整しています。

弊社はプロパー社員数も多くはないので、日本でもリモートのフリーランスの方々と一緒にやり始めました。場所を問わず、その案件に適したスキルを持つ方々と一緒に体制を組みます。ベトナムオフショア開発で培ったリモート人材の管理手法が日本でも役に立っています。

 

5.日本での指示の出し方とは異なる、オフショアならではの指示の出し方はありますか?

4年間、様々なやり方を試してきました。受託開発はお客様も扱うビジネスもその時々で大きく変わるため、要件の理解をスピーディーに深めることが一番重要になります。スキルや開発プロセスはそれなりにノウハウが貯まって行きますが、こればかりは国の違いによって理解してもらえない事も多々ありますから。そのため、機能や目的、開発の背景は絶対に説明するようにしています。

また、ベトナム人って良くも悪くも面倒見がいいので、1人がうまくいかずに困っているとみんなでその人を助けようとするんです。困っている1人へのレクチャー大会が始まってしまい、本当に大事なタスクが止まってしまうなんてことも。そうならないように、仕事の優先度や順番は明確に伝えるようにしています。

最初は苦戦しましたが、3ヶ月の案件を2件こなし、最後の方は自分たちで優先順位を決められるようになりました。

 

6.コミュニケータとBSEはどのように使い分けていますか?

コミュニケータにはエンジニア要素を要求していません。IT系企業での経験がある方でもです。しかし、日本語能力はBSEよりも高く、弊社の場合日本での就業経験が長い方を採用しているため、日本でのビジネスや日本人の考え方は良く知っています。

なので、要件の落とし込みフェーズでは通訳/翻訳業務メイン。その後はQA人材として活躍してもらいます。コミュニケータのいるチームにはスキルが特に高いエンジニアと組ませて、技術的な会話は英語で行っています。

一方でBSEに関しては、日本語能力よりもテクニカル/マネジメントスキルを重視で採用し、ある程度大きい単位で要件やタスクを投げても、ベトナム側だけでプロジェクトを回せるようにしています。

共に日本語が出来るという共通点はありますが役割はまるで異なるので、日本も含めた体制の中で選択して行きます。

 

7.今後、オフショアに切り出す案件を増やす予定はありますか?

はい。受託開発の場合はそれなりのボリュームがないとメリットも薄いと思います。ただ、オフショア体制を強化するには日本の体制も強化が必要、というのでは意味がないので、弊社の場合は彼ら自身にも自己強化を図ってもらうべく、主に品質管理を中心として様々な取り組みや課題を提示してオフショアチームの体力強化を進めています。

 

以上、コガソフトウェア様からでした。

インタビューへのご協力、ありがとうございました