皆さん、こんにちは、 私はハノイ事務所・バックオフィスのコミュニケーターのDungです。 今回は、通訳という仕事の辛さや必要とされる能力などを具体的にまとめた 「通訳の仕事(後編)」をご紹介したいと思います。
4)通訳のプレッシャーと五感
チャンスと共に、辛いことがないわけではありません。
まず、辛いことはプレッシャーが重いことです。
通訳はいつもプレッシャーがかかる環境で働いています。
しっかりと日本語を聞き、そして内容を整理し、ベトナム語に直します。
相手に分かりやすいように、適切なベトナム語を選んで、正確に伝えます。
その長いプロセスをたった1、2秒だけで行います。
ちょっとした不注意で一つの大事な言葉を聞き逃すと、話の重要な内容を聞き逃すことにつながりますので、常に耳だけではなく、目と脳を働かせています。
通訳は日本語とベトナム語を両方とも聞いて、両方とも話します。
コミュニケーションが取りやすい人と会えると楽ですが、そうでない人に会うと、何回か確認しても相手の言いたいことを取得できないこともありますので大変です。
5)仲介者
通訳は本人の代わりに叱られる役回りがあります。
上司が部下を叱る時や怒る時、それを最初に聞くのは通訳です。
いくら言葉が荒くても、聞いて、通訳しないといけません。
その時、両国の文化を理解して、的確な言葉を選び、通訳する必要があります。
そうしないと、大喧嘩になる恐れがあります。
6)中立性
通訳は自分が機械だと思う必要もあります。
通訳は自分が機械だと思って、真ん中に入り、正確且つうまく通訳すれば、それでよいです。
絶対に自分の考え、自分の気持ちを入れてはいけません。
そうしてしまうと、絶対に通訳できません。
7)体力
通訳の仕事も他の仕事同様に厳しい仕事となります。
通訳は良い耳、滑らかに話せる口と、冷静な頭が必要です。
通訳にとって、緊張は敵です。
緊張すると、相手の言っていることに注意が向かなくなり、うまく通訳できなくなります。
また、通訳は色々な場所に行く為、体が強い人に向いています。
3.まとめ
最後に、通訳は外国語さえ上手であれば、それでよいと思ったら大きな間違いです。
昔、日本語の文法、語彙もたくさん知っている人は必ず上手な通訳だと私は思っていました。
しかし、実際の通訳の仕事についた後は、そうとは限らないと気づきました。
上手な通訳はまず外国語が上手なだけではなく、母国語も上手である必要があります。
両国の文化もちゃんと理解し、論理的思考が出来てこそ、コミュニケーション能力も高い人だと思います。
ベトナムにおける日本ITオフショア会社では通訳というポジションは無くてならない存在だと思います。
単なる通訳だけではなく、進捗管理、メンバーを纏めるのも必要です。
メンバーは日系企業に勤めた経験者より、未経験の人のほうが多いからです。
日本人のやり方、ビジネスマナー、日本人のコーディングスタイルはベトナムと違いますので、それを教育するのは通訳のほかはないと思います。
必要に応じて、優しくしたり、厳しくしたりして、うまくコントロールして、纏められる人が求められると思います。
LT.Dung Lab Manager Assistant Communicator at EVOLABLE ASIA
言語の壁や異文化の問題があり、外国人と一緒に働くのは面倒な面もありますが、楽しみもあります。
一番大事なのは、お互いに理解し、助け合うことです。
一緒に頑張って、一緒に汗を流そうじゃありませんか。