こんにちは、EVAブログ編集部です!
今回は「ベトナムオフショアでよく伺うトラブルとその解決策」についてご紹介したいと思います。
ベトナムと日本でトラブルが起こりお互いの関係がギスギスしてしまい、開発がさらにうまく行かなくなる。うまく行かなくなるから、余計に気まずくなり最後はオフショアを止めてしまう。
私たちはこの"ベトナムと日本が気まずい状態"のことを「ギスギスオフショア」と呼んでおります!
このギスギスオフショアが始まってしまうと、どんな開発もうまく行かなくなってしまいます。だからこそ、この「ギスギスオフショア」が起きないためにはどうすれば良いのか?
また、仮に起きてしまった場合にはどのような対策を取ればいいのか、オフショア会社がしっかりとサポートさせていただくことが大事だと考えております。
では、どうしてベトナムと日本の間で溝が生まれてしまうのか。これまでお客様のラボをお手伝いさせていただいた経験から、ベトナムと日本の間でトラブルが起こるには大きく分けて3つの原因に区分されることが多いと感じております。
原因1:ベトナム側のレポーティングを信用し、それに基づいてリスクヘッジの効かないスケジュールを立てていた。
ベトナム側と日本側の状況をすり合わせる為に、毎日朝会やミーティングを行っているのですが、その際に進捗を正しく確認できないまま進めてしまっているパターンが多く見られます。
「進捗はどうなっていますか?」と確認した時に、ベトナム側からの「うまく行っています。」「進捗は90%です。」といった言葉をそのまま信じてしまうのですが(信じてしまいたくなる気持ちも分かります・・・。)、そうすると納期直前に蓋を空けてみて「実は全然違うものができていた」「性能的に正しいものができていない」「あらかじめ指定したコーディングルールに沿っていなかった」といったトラブルがリリース直前に分かり、リリース日を後ろ倒しにするか、日本側で夜なべして対応するといったことが起こりやすくなります。
■解決方法:言葉ではなく、実際のアウトプットをこまめにチェックする。
毎日1回はソースコードをコミットしてもらい、そのソースを少しでも見る。作っている機能について、幾つか利用シーンを伝えて、その時にどんなアウトプットになるのか答えてもらう等をして、言葉ではなくアウトプットにチェックを入れることをおすすめします。
原因2:ベトナム側に仕様からの読み取りや設計方針を任せてしまう。
今ベトナム側に何かしらを渡しておけば、あとは意図や背景を汲み取って網羅的に問い合わせがなされ、プロジェクトが進んでいくといった認識を持っており、これもまたリリース直前になって確認してみたら期待と全然違う、といったトラブルに発展します。
正直、ベトナム側から問い合わせが出てくることもあるのですが、それだけに頼ってすべての品質/仕様を担保しようとする考え方は危険と言わざるを得ません。
これはベトナム人のスキルが低いからと言うわけではなく、このシステムがどのように使われるか、どのような業務で流れているか、これらを想像することが難しいというところに起因します。
■解決方法:システム仕様だけでなく、システム背景にこそ説明に力を入れる。
ベトナム人エンジニアに開発内容を伝えるときには、まずは以下のようなチェックポイントを元に概要をお伝えすることをお薦めしています。
・なぜこのシステムを作るのか。
・誰がこのシステムを使うのか。
・このシステムで解決したい課題はなにか。
・このシステムで求められているメリットは何か。(例:コスト削減、ミス撲滅など)
・いつからこのシステムを使いたいか。
これらを伝えた上で各システムの仕様の説明を行うと、その仕様になっている理由が伝わりやすく、その後の開発精度にも大きく影響が出てきます。ここがしっかり伝わっていると、それこそ的を射た改善提案が出てきます。
原因3:感じている課題を直接話さずに建前ばかりを伝えてしまう
よくあるベトナムオフショアで言われているのが、
・モチベーションが下がってしまうので、人前でベトナム人を怒らない方がいい。
・マイナスではなくプラスに褒めて伸ばさないといけない。
といった内容なのですが、これらを踏まえた結果、仕事でトラブルを起こした場合でも、それを本人に伝えずに日本側で吸収してしまうことがあります。
しかし、問題だと思うことを本人に伝えないまま業務をさせ続けると、いつかそれが大きなトラブルの元となります。
日ごろの業務の中で文化や考え方の違いがあるにせよ、社内で問題と思われることは問題であると本人にフィードバックすることが非常に大切だと思います。
■解決方法:弊社のラボマネージャーをご活用ください!
ラボマネージャーは複数社のお客様のラボを同時にサポートさせていただいている関係上、ベトナム人の心情に配慮した上で、伝えるべきことをしっかり伝えるスキルを身に着けております。
お客様の中で溜め込むのではなく、担当ラボマネージャーに忌憚なくご相談いただければと思います。大切なのはお互い仲良く仕事することだけではなく、今自分たちのチーム組織がどのような課題を抱え、どのような方向に進んでいるのかをしっかりと進めていくことだと思います。
以上、いかがでしたでしょうか?
・実はこんな問題も抱えているけどその解決方法が知りたい!
・実は上記のような課題を抱えているので一緒に解決してほしい。
・実はやってみたけどうまく行かなかった。一度話を聞いてほしい。
などなどございましたら、ご遠慮なくお問い合わせ下さいませ。