前回の記事、ラボの運営ノウハウ(前編)では、
1. 運営ノウハウ、業務編、”採用時のノウハウ”、”探究心の高いエンジニア”のお話をさせていただきました。
後編では1. 運営ノウハウ、業務編、”ミーティング時の対応”のお話から始めさせていただきます。
1. 運営ノウハウ、業務編
*ミーティング時の対応
文化、言語が違う方々とのミーティングでは「伝える」ためのテクニックが重要です。
以下の方法を使うと、より伝わり易くなります。
- 説明時の文章を短くする必要があります。接続詞が出た、また 出そうになったタイミングで一旦說明を止めるとわかり易くなります。 短文で順序立てて説明すると理解度が高まります。
- 多くのベトナム人エンジニアの方は英語も理解できます。 このため、技術用語・設計方法等の専門用語を板書と簡単な英語を使う事で、相手の理解度が直接把握できます。
- 常にテーマから外さないようにリードしましょう。議論好きなエンジニアがいます。 話しが長すぎる場合、ほぼ議論しているポイントから遠ざかっていると考えて間違いありません。 発散しないように、必要に応じて強引に議論を一旦止める事が大切です。熱 く語り合っていても、激論していても「一旦停止」といえば、すんなり聞いてくれます。
* 寡黙なエンジニアへの対応
口の重いエンジニアは世界中にいます。ベトナムにもいます。
しかし、先に申し上げた「ホウレンソウ」であったり、開発方針に納得しているのか確認するには、
やはりコミュニケーションは重要です。こんな時に役立つノウハウをご紹介します。
- 実は質問したり、意見を言うと「レベルが低いと思われないか」と不安を持っている方が結構います。 弊社でのある事例で、業務に必要な専門書を購入したいが言い出せなかった方もいます。 これは「その本を読まないと何も出来ない程レベルが低いのか」と思われる事を恐れていたそうです。 日本人の感覚では勉強熱心としか映らない事も、ベトナムでは違う事があります (恥の文化、という意味では共通しているかもしれません)。このため、初期は対面式のコードレビューとの触れ込みで、開発内容をチェックしながら会話をする方法がお勧めです。 そして、できている部分は、褒める事が大事です。
- 打ち合わせの場であえて日本人がいない状態を(短時間)作る事も効果的です。 外国人がいると、どうしても緊張してしまう方もいるため、会議の始まりの10分程度はベトナム人のラボリーダを中心に、 ベトナムスタッフだけの時間を作り、話やすい雰囲気を作ることで改善される事が多々あります。
2. 運営ノウハウ、業務外編
*交流の深め方
円滑な仕事を進める上で、業務外の付き合いも大切です。しかし、日本の付き合いとは全く違います。 飲み会への強制はもちろんなく、仕事・上司の悪口を言い合う「残念酒場」もベトナムの方々は行きません。 こちらでは、ひたすら笑う、楽しむ、喜ぶ、がポイントです。 以下は、弊社のお客様が実際にされている事例です。
- 月一回、少し豪勢なお昼にスタッフとお出かけ
- 社員誕生日カレンダーを作成、当日はケーキでお祝い
- ランチはできるだけ一緒
- スタッフのご両親にメッセージ(よく働いてくれている等)
- レゴ作成ワークショップの実施
- Tシャツ作成
ここでご紹介したノウハウは一例です。 ただ、ご紹介したノウハウ・テクニックが効果を出せるのは、相互の理解と尊敬が大前提です。 ベトナムの皆さんは、我々の大切な仲間であることを忘れてはならないと思っています。