ベトナム・オフショアラボにおける人材管理4つのポイント

今まで様々な国でマネージメントをして、異国の地で最初に当たる壁が、

「その国の文化」「国民感情」「人間性」、そして「人材の管理」です。

人材管理に関しては、伸び盛りの国に行くほど、事あるごとに労務規定が変わっていき、これが正だと言い切れない部分がよく出てきます。
ここでは今までの経験と、現在のオフショアラボ内での比較にて投稿時点での状況を書き留める事とします。

1. 具体的事例を挙げて説明をしっかりする

ベトナム人は一般的に若く経験が少なく、
且つ、ベトナム人と日本人の文化や言語の違いもあり、「阿吽の呼吸」でこれくらい大丈夫、という感覚では、コミニュケーションミスが起こることが有ります。

都度具体的に事例をあげ繰り返し説明することにより、学習能力の高いベトナム人は納得し高い成果を上げてもらえます。

meeting

2. 候補者=既に昇格ではない

これは最も気をつける必要があります。
○○候補者として、これから勉強と裁量を図ると言った時点で、本人は既に○○になったと勘違いをしてしまうことがあります。
これは給与制度にも関係してはいますが、
結果を出した後にタイトルではなく、タイトルを貰ってから、がんばる感覚を持っている者が比較的多く感じられます。

まずは昇格するための目標を明確にし、両者で合意していく事が必要となります。
曖昧な目標で「○○候補」として頑張ってくれなど言わないほうが良いと思います。

 

3. 仕事以外でのコミュニケーションの大切さ

仕事での定期的な個人面談だけでなく、
仕事以外でも幾つかイベントを設けてモチベーション維持とコミニュケーションを図る必要があります。
そういった仕事以外でのイベントやコミュニケーションの中で、本人の役割・必要性と要求、悩みなど聞くことで、安心感と信頼関係を築けると思います。但しメリハリは重要ですね。

Party

 

4. 退職のとき

他の近隣諸国に比べ、ベトナムでは比較的少ないと感じますが、まれに繰り返す者もいます。
これは、仕事への相性や個性もあるためマッチしない場合には、迷わず早めにお互いの合意し退職する傾向も有ります。

また、会社は労働契約によって、労働者の保留期限を持っていますが、これは往々にして反故にされる事も有ります。
対策としては万国共通で、本人からの申し出前に事前に状況を把握し退職となっても業務上問題が発生しないように準備が必要となります。
なし崩しに、労働者側の主張だけ飲むのではなく、主張すべき事は主張を行わないと、仕事への影響及び今後の本人の為にはならないと考えます。

労働者保護の強いベトナムにおいて、これら退職にかかわる事は、慎重にベトナム人で信頼の置ける人事と連携して事を進める必要があります。

 

とにかく難しく考えず、伸びざかりの若い人・国と、どのように向き合い付き合っていくか、ここを押さえれば何とかなりそうな気がしますね。

 

何々だからどうあるべきとか、経験値から頭の中で出ている答えを一つづつ伝えていく事が、フラストレーションなく、お互いが成長できる良い関係を築く第一歩ではないかと思います。

 

 

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以下は、参考までに基本部分のみ記載しています。実際には客観的に物事を判断できる「外国人労務士」などに確認を取ることを勧めます。

 

就業時間(8時間/日、48時間/週以内。ベトナム時間8時-17時、日本時間10時-19時)

これは、国と言うより企業により定められますが、現在働いているEVOLABLE ASIAでは、通常朝8時から夕方17時が就業時間として定められています。日本時間朝10時から19時の勤務となり、比較的多くの日本企業で就業されている時間となり、業務への影響は少ない時間帯となっています。(以前勤めていた、中国・韓国も同様です。)

また、過去住んでいたUS、インドでは時差があり、会議や業務伝達方法調整で苦労した経験があります。これらの国に比べると、日本とのやり取りにおいては働き易さがあります。

残業 (月30時間以内、年200時間以内)

成果労働の考え方は少なく、従業員は時間をお金に変えている認識です。
また、残業割り増しが実に高い、150%から468%です(驚愕!)。
何気なく残業を頼むのはやめ、遅くても終業15分前に残業有無判断をして、翌日に回せるものは回した方が効率的だと考えます。日本もこれだけ厳しく行うことができれば、ワークシェアの推進および、家族生活も豊かになるとは思いますね。

祝祭日 (年間11日間)

ベトナムの祝祭日は本当に少ないんです。
年間で11日、2015年に至っては「1月1日の新年休み」、「2月のテト休み連休」、「4月後半5月前半のメーデー連休」で後は「9月1日に休み」があるだけです。
その後は祝祭日0(ベトナム現地採用で就業している身としては…とほほ状態です)。
日本・中国のお客様からすると、2月のテト連休をどのように運用で回すかのみ考えて頂ければ、ほぼ稼動状態なので依頼し易い環境が整っています。

有給休暇 (年間12日間)

良く変わる(人により解釈が異なる)。。。
基本は年12日間(5年連続勤務すると1日付与)と、また勤続が12ヶ月未満の場合には、労働期間1ヶ月に1日として計算します。
有給残は翌年持ち越しで、持ち越し期限なし(日本の場合には持ち越し1年とかはありますが)。

労働契約 (無期限、1年~3年有限)

これは、ベトナム・中国・アメリカ・インドと働いていましたが同じ感覚です。
基本は1年契約で2回目の更新時に無期限契約となります。
中国で就業時には、無期限への契約変更時には色々と会社側の制約が出てきてしまいます。私のベトナム経験が少ないため、この辺りは先輩諸所にご教授を求めます。
試用期間の取扱いも要注意です。企業側が労働者を試用するだけではなく、労働者側も企業を試用する契約となります。よって、契約解除権限を労働者も持ちます。
労使がイーブンな状態です。

子育てと働き方

ほぼ共働きのベトナムでは、育児休暇はもちろん、出産後1年間は乳児の居る女性労働者は1日1時間有給付与および時間外、深夜労働禁止となっています。
仕事中心の日本人の目からすると、子供・家族を大事にする、ここは見習うべき部分と思います。

雇用に関して

2014年1月16日付政令により、募集・採用に関して「告知・公表」「書類管理」「報告」「労働管理帳作成保管」など、細かく定められました。
また、給与に関しては細かな「賃金テーブル作成報告」や高い率の「強制加入保険」などの支払い、組合有無関係なく「組合費」の支払い、給与上昇率と成長率のギャップ調整等、労働者を保護するための様々な条件がついています。
会社を作るのは比較的簡単ですが、その後の運用が回らなくなるケースが出ています。

余談ですが現地採用の外国人にとって、使うことの無い医療保険の支払い義務はあるが、発言する場の労働組合の参加は認められておらず、自分で自分を守る必要はあります。これは何処の国に行っても感じた事です。

吉迫 寿

中国でのオフショア開発会社、事業会社立ち上げ経験を経て現在ベトナム、ハノイ支社でのラボマネージャとして活躍中!!